松原遺跡

484 ~ 484

松原遺跡は、東寺尾の千曲川の自然堤防上にある。平成二年(一九九〇)、上信越自動車道建設にともなう発掘調査で、地下五メートルの地点から縄文時代の大集落のあとが発見された。縄文時代前期前半から後期まで(約六〇〇〇~三〇〇〇年前)のものである。それまでは縄文時代の遺跡は山間地や山麓(さんろく)にしかないと考えられていたが、その常識を打ちやぶる大きな発見であった。同時に弥生時代の竪穴住居跡も三〇〇軒以上出土し、これも善光寺平最大の規模であった。この遺跡の集落は縄文時代から中世末期の一六世紀末まで存在した。それが消えたのは、長礼(ながれ)方面に新しく尼巌(あまかざり)城の城下町ができて移転したためではないかといわれる。