二 条里の遺構

528 ~ 528

 西条地区に条里的遺構をみることができる。それは、松代町の藤沢川・蛭(ひる)川(関屋川)・神田川などによって形成された松代複合扇状地の寺尾・東条・中条・西条地区にかけての一帯である。とくに、象山の東麓から東へ六町(約六五四メートル)幅の南北の地域が西条地区、そこから六町幅の地域が中条地区、さらに、それから尼巌(あまかざり)山西麓まで六町幅の地域が東条地区となっている。これら六町幅の区画の跡は、条里制計画にのっとり一〇世紀から一一世紀ころに実施された条里的地割とみてよいであろう。この条里区画の南北は、北は千曲川の自然堤防まで、南は西条の六工・宮田付近までとなる。東西を条、南北を里とよんだと推定される。