神田川の用水

540 ~ 541

 神田川は源を高遠山の中腹大梨(おおなし)沢に発し、桐山沢・大日影沢などの細流を合流した水量豊かな河川で、古くから西条地区にとっては農業用水であると同時に、生活用水でもあった。神田川には五つの堰が開設されている。上流からみると、まず、山ノ神地籍で取水している山ノ神堰で、同地籍の耕地二町五反余の用水となっている。末流は同所で神田川に入る。ノロシ山地籍で取水する入堰は、入組及び筒井の集落の耕地一町三反余の用水および飲料水に利用され、流末は筒井で神田川に入る。上ケ澤で取水する上ケ澤堰は、上ケ澤の耕地二町三反余の用水として利用され、流末は上ケ澤で鹿嶋堰に入る。鹿嶋堰は上ケ澤で取水、西六工・鹿嶋・中村・汲町・日影・表組村などの農地一六町余の灌漑(かんがい)用水として、神田川の堰のなかで最大規模を有し、長さは一四町四六間(約一五七六メートル)である。流末は表組で神田川に入る。東六工地籍で取水の山橋堰は、東六工・市場・舟折・尾崎・北尾崎・ビクニ等の耕地一二町八反余の用水となっている。流末はビクニで神田川に入る。