昭和四十年八月から始まった松代群発地震は、同年十一月二十日に四回目の震度4の地震が起こった。事態を重視した文化財保護委員会は、清水寺の重要文化財の本尊ほか三体の仏像を東京国立博物館に疎開させることに決定し、同年十一月二十九日から三十日にかけて搬出された。四十四年三月二十八日、第四十九号松代群発地震情報で「今回をもって北信地域地震活動情報連絡会は発展的に解消し、地震活動の推移に関する検討は国土地理院を事務局とし、地震予知に関する連絡会でおこなう」と発表、いちおう、松代地震は終息した。同四十五年五月、四年半ぶりに疎開先の東京国立博物館から清水寺に遷座した。