おたや

638 ~ 638

「おたや」といえば、当地方では天照皇大神(あまてらすおおみかみ)・豊受大神(とようけのおおかみ)を祭る御厨村戸部の伊勢社のことである。毎年一月六日がおたやの大祭である。この大祭には前夜から老若男女が遠近から参詣に集まる。社前の大通りは縁起もののだるまをはじめ、福あめ、おもちゃなどの露店が立ちならび、五日の夜半からにぎやかとなり朝方には身動きできないほどの人出となる。境内では、火を焚き甘酒が参詣者にふるまわれる。御厨ではこの日のために、例年各集落が交替で甘酒をつくってサービスをしている。

 神社では商売繁盛、五穀豊穣を祈ってお種銭を貸しだす。お種銭は翌年の例祭日に借りた倍額にして返済する慣習となっている。