川中島バス会社の本社を旧更府村出身の宇都宮信衛が発起人となり、川中島駅前に開設したのは大正十四年であった(昭和四十四年大豆島(まめじま)へ移転)。当初は乗用車五台(フォード)で発足した。まず川中島駅を中心として西山部方面を結ぶ路線として大正十五年四月川中島-篠ノ井-新町、長野-篠ノ井-八幡-上山田、川中島-篠ノ井-上石川-田野口-笹平を開業し、同六月には長野-新橋-笹平を開通させた。川中島-高府間片道二五銭、長野-上山田が五〇銭で、一時間ごとに運転されていた。川中島駅前は、当時更埴地方のバス交通のすべてを独占した川中島バス会社の発祥の地であった。