小島田(おしまだ)地区は、犀川(さいがわ)扇状地の扇端部にあたる川中島平の南東部に位置する。標高三五一・一メートル(野田沖)から三四八・〇メートル(古城沖)で、ほとんど平坦(へいたん)である。地区の形状は、西部から中央部にかけては広がり、東部は千曲川左岸に沿って狭隘(きょうあい)な地が細長く伸びる風船型をなしている。北は青木島町大塚、南は篠ノ井西寺尾、東は真島町真島と用水堰、あるいは耕地をもって境している。また、村の東部を流れる千曲川を境にして松代町柴(しば)・同小島田と相対し、更埴橋で松代町柴区と結ばれている。犀川が造成した自然堤防(微高地)上には、耕地をへだてて野田・頤気(いき)・北村・新城・田中(上小島田)、花立・紙屋・中組・中村・中沢(下小島田)の諸集落がそれぞれ塊村をなしている。かつては米麦の二毛作を主とし、養蚕もさかんな純農村地帯であったが道路条件に恵まれ、他産業に就労しやすいこともあって専業農家は少なくなった。
この地区は長野市南部の旧城下町松代と北部の旧市街のほぼ中間点に位置し、上信越自動車道長野インターから県庁など長野市街地への南玄関口にあたっている。南北に通じる主要地方道長野真田線と、東西に通じる県道川合川中島線がこの地区のほぼ中央部で交差している。また、昭和五十七年(一九八二)に国道一八号が南東部に、平成九年(一九九七)には国道一九号南バイパスが北端部に開通し、道路交通に恵まれた地区となった。
地区内には、長野法務局長野南出張所・八幡原史跡公園・市立博物館や更北村時代に工場誘致条例にもとづいて誘致された新光電気株式会社をはじめ、老人保健施設「コスモス長野」などがある。
面積二・九五平方キロメートル、標高三五〇・〇メートル(旧小島田村役場跡)、世帯数五二五、人口一七八一(平成十一年十月一日現在)。