平成七年(一九九五)小島田地区の農家は一一八世帯で、昭和二十五年の二七四戸の半分を割り、専業農家は二二世帯、このうち男子生産年齢人口がいる農家は、五世帯にすぎない(『農業センサス』)。専業農家でも高齢化・後継者難が進行している。昭和二十三年に一六八ヘクタールあった経営農地は、平成十年には八五ヘクタール余と半減した。かつて農家経済の基盤であった二毛作田は〇・三ヘクタールと消滅寸前で、しかも水田四六ヘクタール余のうち、二割は休耕田である(『市統計書』)。さらに、農家を取り巻く社会的、経済的条件は年々きびしくなってきている。年ごとに強化される減反政策、米さえ輸入解禁となった。農業への展望が見えない現今においても、農地転用のきびしい法規制もある。小島田地区は千曲川沿いの堤外地を除いて市街化調整区域になっている。高齢化して後継者もなく耕作が放棄され、荒れ地になっても雑種地以外の転用はむずかしい。