真島地区は新設道路・卸売団地・下水道終末処理場・ホワイトリングなど大型開発事業がおこなわれたが、そのさい遺跡や遺物の検出はみられなかった。これはこの地区ばかりではなく、川中島平の各地区に共通していることであるが、とくに真島地区は、千曲川・犀川に沿っており、しかも両川の合流点に近い。したがって堆積作用・浸食作用は他の地区にくらべ激しい。特に寛保(かんぽう)二年(一七四二)の千曲川の大洪水では、真島村・川合村は亡村寸前というほど大きな被害をうけている。
この地区は、小島田を中心とした古代の頤気(いけ)郷の郷域ともいわれ、また、大室牧の牧域とも伝えられている(『町村誌』)。これらの生活跡も犀川・千曲川の氾濫(はんらん)で流失、あるいは埋没したのであろうか、今のところこれといった遺跡・遺物は検出されていない。