小松原・岡田・有旅(うたび)・入有旅・山布施・安庭・氷熊・平林を布施御厨(ふせみくりや)の八村といい、石川・二ッ柳・五明(ごみょう)・高田・御幣川(おんべがわ)・横田・会(あい)・上下布施の八村を布施本荘であるといった。この郷域に布施神社が数社あるから、布施郷は今の川柳・横田・会・布施五明・布施高田・上下布施・共和・信里と御厨の一部、更府の一部がこれに比定されている。この郷は鎌倉時代以後、布施氏の根拠地で文明(ぶんめい)三年(一四七一)山部を改めて平林郷とし、平坦部を布施郷または高田郷と改称したことがあって、布施氏は二分されて、布施・布施平林の二流となったという(『更級郡誌』)。