長野市は、明治三十年に人口三万人で発足し、現在は三六万人の地方中核都市として大きく発展し、平成九年には市制施行百周年を迎えました。

　『長野市誌』の編さん刊行は、この百周年記念事業としておこなわれているものであります。本市の歴史を振り返り、さらに将来に向かって飛躍するこの時期に、市誌が刊行されますことは大変意義深いものがあります。

　この市誌は、織りなす緑につつまれて発展してまいりました本市の正確な史実や人びとの生活の歩みをとどめ、明日のまちづくりの指針となるよう、自然編、歴史編、旧市町村史編、民俗編の構成から成る、全一六巻・一万六千ページに及ぶ本格的な総合市誌であります。

　市誌とともに、重要な百周年記念事業として位置づけられた冬季オリンピック・パラリンピックは、大きな感動を残し成功裏に終了いたしました。そして今は、その両大会の有形・無形の資産を生かしながら、中核都市として二一世紀に向かってさらに大きく飛躍・発展を続けるよう、新たな努力をしているところであります。

　このような時期に刊行されます市誌が、市民の皆様はじめ多くの皆様方に読みつがれ活用されて、長野市の発展と地域文化の向上に役立つことを祈念いたします。

　ここに本巻を発刊するに当たり、児玉幸多先生のご監修のもとに、調査研究、編集・執筆に当たられた皆様をはじめ、ご尽力いただいたすべての方がたに、心から感謝を申し上げます。

　　平成十年（一九九八）十二月十日