その他

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地域を限らず市内全域でみれば、たいていの農産物は仲買があった。東横田へは、さつまいも・菜類・大根・にんじんなどを秋に買いにきたし、松代町中町では、保科や川田から行商にもっていく農産物を買いにきた。また、れんこんの産地の岩崎(若穂綿内)へは長野旧市内や須坂から冬にれんこんを買いにきたし、長芋の産地の岩野へは秋から春にかけて長芋買いがやってきた。果物では、りんご屋が各地から買いにきた。りんご屋は買いあつめたりんごを東京などの都市へ運び、人を雇ったりして行商や振り売りをした。これは、農協が大きな選果場を設けて一手に出荷を引き受けるようになるまで続いた。果実ではほかに、

柿・あんず・梅・くるみなどの仲買人があった。また、卵の仲買いや、トリバクロウとよばれた鶏の仲買人が来たところもある。

 農産物以外では、赤柴(松代町豊栄)へは薪の仲買人が来たし、長谷などへは桐の木の仲買人が秋から春にかけてやってきた。


写真1-33 れんこん掘り (若穂綿内 平成7年)