田仕事の始まりの目安
かつては、山に残る雪や草木のようすを目安にして、田仕事がおこなわれてきた。
南長池(古牧)では、飯綱山に十文字や人形(ひとがた)の雪形(ゆきがた)ができると、田仕事を始めた。長谷(篠ノ井塩崎)では飯綱山にサルユキとよぶ雪形ができると、苗代仕事を始めた。このほか、菅平(すがだいら)に「十一」の形に雪が残ると、苗代の準備を始めるとするところは多い。また、南長池のように、かえでの葉が赤く出たら苗代準備をするというところもある。
写真1-39 菅平の雪形(昭和56年) 松瀬孝一提供