除草

107 ~ 108

田植え後の除草を田の草といっている。田の草は最低四回おこなった。多いところでは六回おこなうこともある。田の草は取れば取るほどよいとされた。田植え後、一週間から一〇日の間隔で、出穂するころまで取る。最後の田の草はちょうど盆前になる。一回目の田の草をイチバンクサ(一番草)という。順次、ニバンクサ(二番草)、サンバンクサ(三番草)となり、最後はトメクサという。

 また、七月下旬から八月上旬にかけて、アゼに生えた草を刈る。アゼクサカリである。ていねいな家では二回刈る。

 八月末から九月にかけてのころになると、田のなかに生えた稗(ひえ)を抜いて回る。それをヒイトリという。昔の田には稗がよく出た。田の水を落とす前に稗を抜いておかないと、稗が実って田のなかに種子がこぼれてしまう。