稲刈り前になると、田の水を排水する。そのとき排水をよくし水田を乾燥させるために、ヨケとかヒイセギとよぶ排水溝を田のなかに作る地域がある。とくに湿気の残りやすい田にはヨケが作られる。田のなかではウワネ(上畝)がしけることが多いので、ヨケはたいていはウワネのドテに平行して掘ることになる。また、落水後に雨が降ったときにもその水はヨケにたまって排水される。
ヨケは常設ではなく、田の水落としの前になると臨時に作る。そのため、ヨケを掘るまでは、そこには稲が植えてある。ヨケを作ることにより田の乾燥を早め、裏作に麦を栽培することを可能にした。