里への出作
田植えおよび田起こし・代掻きの人足といった比較的短期間の出仕事とは別に、比較的里に近い七二会や浅川・泉平(芋井)・桜(同)あたりからは出作(でさく)(出作り)をおこなうこともあった。
出作とは山の人が里の平坦部に水田を借りて、そこでみすがら水田耕作することである。そうした田の多くは町の商家などが所有するものである。田の脇にはデンゴヤなどとよばれる出作小屋が建てられ、田植えや稲刈り時分などの農繁期には、泊まりこんで仕事にあたった。
写真1-51 麦刈り(川中島町 昭和31年) 松瀬孝一提供