農休み

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農休みというのは、区の家々がいっせいに休みをとると決められた日のことで、とくに稲作作業の区切りに、家ごとの祝いや儀礼とは別におこなわれているのが特色である。たとえば苗代に種蒔きが終わったあとには、各家で苗代祭りといって苗代に柳などの棒を立ててヤキゴメを供えるが、区の各戸の種蒔きが終わるとスジマキヤスミなどといって、日が決められてフレ(触)が出て一日か二日間の休みとなる。田植え終了後にも各戸では苗を田の神様や神棚、えびす様などに供え、赤飯をふかしたりして祝い、そのあとで区で日を決め、この日を小市や日方、五十平、今井、十二、灰原などではオオダウエ(大田植え)、栗田では田植えじまい、桐原や堀之内、古森沢ではマンガアライ(馬鍬洗い)などといって休んだのである。さらに稲刈りや脱穀が終わったあとにも区で農休みを決めて休むところもあった。


写真1-59 農休日の知らせ(篠ノ井有旅 昭和57年)