困った家を助けるいっぽう、逆に区や町内の義務や決まりを守らなかった場合には、ムラハチブ(村八分)といって村の付き合いから除外されるということがあった。火事を出し、その被害が他家にもおよんだようなときには、所払いというきびしい制裁が加えられることもあった。
ムラハチブというのは、北屋島や長谷ではムラハズシとかムラッパナシ、岡や堀之内(真島町)、赤柴ではナカマッパナシとかナカマハズシなどともいい、はじき出すという意味である。村で決めた農休日に働いているとか、盗み、境界争い、放火などのほかに、今井では昭和初めには神楽の稽古に出ないでハチブになったし、岡ではやはり昭和初めに神社の境内に堆肥を積んでハチブになったものがあったという。