組の互助、つきあいは町場の町内にもある。たとえば松代町の代官町では、隣組はもとは五人組といって葬式には夫婦で手伝いに出て、谷街道から代官町への入り口に高張提灯(たかはりちょうちん)を立てるなどの準備をしたり、会葬者の受付などをおこなった。祝言には隣組を披露宴に招待することもあったし、組の家に入院した人がいると相談してお見舞いに行ったりもした。馬場町では、葬式には、墓穴掘りはオコウとよばれる隣組とは違う組の人たちが順番にあたるが、隣組は夫婦で手伝いに出て、棺かつぎ、弓張提灯持ち、台所の手伝いをおこない、オトキにも出る。善光寺町の西町でも、やはり隣組は葬式の手伝いに出るし、祝言には隣組をよぶ場合もあった。さらに祝言のあとにヨメヨビといって隣組の女性たちをよんでふるまったり、嫁が各戸をあいさつして回った。また、横沢町でも祝言後に嫁のあいさつ回りがおこなわれるし、ある隣組では頼母子(たのもし)講をおこなったり、これとは別に日掛け貯金をしている。