こども仲間が一時的のものであるなら、だれでもがその仲間に入ることができそうにも思われるが、加入の年齢はほぼ定められていた。
前記南俣の例では尋常科二年生から高等科二年生までのこどもたちであったが、多くのところでは同様に学年によってこども仲間の年齢を定めていた。岡田(篠ノ井)のように小学校在学者に限定される場合もあるが、小中学校の在学者である場合も多い。そのほか、赤沼(長沼)では小学校五、六年生によってこども仲間が作られるなど、年齢層の高いところに設定されている場合もあった。
このようにこども仲間の加入年齢は、実年齢ではなく学年で定められているのがふつうである。それは等しくこどもたちが学校で学ぶことになっており、それがこどもにおけるごくふつうの生活であり、こどもたちの状態を示すのにもっとも適していたからでもある。それは同時に、地域社会におけるこどもの位置づけをも示している。まだ学校で学ばなければならない段階にあるものが、地域社会において果たす役割は、かなり限定されたものであった。