念仏講

193 ~ 194

老人を中心として、彼岸や葬儀にかかわるものとして、念仏講を作っているところがある。とくに女性の集まりとするところが多い。南長池では、死後七日目に講中が集まって念仏講をするというし、五十平では、一戸から一人ずつ老人が集まって、春秋の彼岸に大きな数珠(じゅず)を回して念仏を唱えるという。長谷ではオマルメコウといい、女性が一戸一人ずつ加入し、春の彼岸の中日の夕飯後、当番の家に集まって団子を作る。そして大数珠を回して念仏を唱えるという。

 このように特定のときにおこなわれるだけではなく、毎月おこなうところもある。広瀬では持ち回りでつとめる当番の家に毎月年寄りの女性が茶菓子をもって集まり、念仏を唱えたあとでお茶を飲みあうという。花立でも寒中と農繁期を除く毎月中旬に、共有する仏様の前でお念仏とお茶会をするという。また、彼岸には団子を作って、もらいにくるこどもたちにもあたえるという。岩野ではブットンコウ(仏恩講)といい、毎月十七日に講をおこなうその他彼岸の中日、盆の十三日などにも念仏を唱える。それだけではなく五月と十一月の八日のお薬師様、十一月十四日のオマルメにも講をする。オマルメには団子を作ってまいたあとでお念仏をしてジュズマワシをした。三月十五日にはヤショウマを作って念仏を唱えるという。ここでは葬儀とはかかわることはない。葬儀のときには講と関係なくみなで念仏を唱える。