浄土真宗の檀家では、十一月あるいは十二月の二十六日・二十七日に報恩講をおこなう。それぞれの寺でおこなうのがふつうであるが、西平では説教所でおこなった。世話人が中心になって、区長の家で餅つきをして女衆はオカザリを作る。男衆は仏具を飾りつけたりして準備をする。夕飯後説教所に集まって、招いた坊さんの説教を聞くのである。戦前にはこのときよそに嫁いだ人もお参りに来たという。桜枝町のある家は上水内郡牟礼村から移住して三代ほどになるが、今でも牟礼村の寺から報恩講のオツカイが来るので参加しているという。
どこの報恩講でも女性がかなり多くの役割を分担し、仏教婦人会の主要な行事にしているところもある。この講に参加することによって地域の人びとと知りあい、交際を広めることになったという。