一月十五日にはドンドンヤキの行事と関連して講をおこなうところがある。とくに道祖神の祭りということではなく、一杯飲んで楽しむものであるから、こどもの講ということでもない。南長池では道祖神講といって、村中の大人やこどもが集まっておこなうという。広瀬ではドウロクジンコウという。ドウロクジンのマキタテを作ってしまうと、当番の家に集まって酒宴を開くのである。酒は村や厄年の人から出るので祭りのうちでは一番多いという。
この日、小市(安茂里)では前年中に嫁をもらった家でオヒマチをおこなった。一軒から一人ずつ男が参加したという。オヒマチというのは栗田・長谷など各地でもおこなわれるが、小正月に限られているわけではない。三水では一月二日ころからウチワごとにヒマチコウをおこなった。日はウチワによって異なったが、ウチワの家が順番に当番をつとめ、その家に集まって手打ちそばを食べたという。正月に親戚ウチワが集まって飲食をするのは、栗田などでも同じであった。男女別々によびあったので一月中はそんなことをしていたという。栗田では一月三日にオチャコウ(お茶講)といって、当番の家に集まって飲食をしている仲間もある。