庚申講でまつる神仏としては庚申様とするところや、三猿をまつるとするところなどもあり、北屋島では聖徳太子であるといい、岡田では荒神様であるというが、多くは青面金剛(しょうめんこんごう)や猿田彦命であるとしている。
それぞれの神仏が、どのようなものであるかということとかかわりながら、それをまつる目的として、赤沼では無病息災・疫病退散を祈るといい、花立では家内安全・家内繁盛を祈るという。灰原では豊作を祈るといい、小市や岩野では賢くなるように祈るという。また桐原では修行のためにまつるといい、境では「話はオカノイの晩」といって、みなで集まって農事などの話をするという。
しかし、それ以上に地域社会における生活と深く結びついているものとして、葬儀における役割がある。葬儀の手伝いをするのであるが、堀之内ではツゲビト(告げ人)としての役割を分担したし、岡田では墓穴掘りなどの手伝いをしたという。このような役割をになうとしているところは善光寺平方面に多い。