初午

218 ~ 218

初午(はつうま)は立春がすぎて初めて迎える午の日のことで、松代の竹山稲荷社や屋代(更埴市)の豊川(とよかわ)稲荷社など各地の稲荷社では祭りをする。また蚕や牛馬の祭りであるともいって、粉を練って作ったマユダマを竹や柳の枝にさして家のなかに飾った。豊栄(とよさか)(松代町)の虫歌観音や中真島の蚕神へお参りに行く人も多かった。そこでおこなわれるくじ引きの青竹を割ったものは、蚕の掃き立てをするときの箸にするとよいといわれ、大勢の参詣(さんけい)人でにぎわった。小市(安茂里)ではこの日、一七歳から三五歳までの若い衆が、中見観音に集まってお祓(はら)いをしたあと、一杯飲んで遊んだ。また、駒嶽(こまがたけ)神社(上松)や善光寺に馬を引いてお参りする人もいた。