雛祭り

218 ~ 219

四月三日は女の子の節供で雛(ひな)祭りといい、親元や親戚からもらった雛を飾る。赤柴ではクサモチセック(草餅節供)ともいう。初めて女の子が生まれると親元から内裏様をもらい、飾りや雛は親戚からもらって雛段を飾り、草餅や甘酒、アラレなどを供える。とくに初節供には、嫁の実家や仲人、兄弟、本家などの親類呼びをして、女の子の成長を祝う。戦前は生活が大変だったから、どこの家でも雛祭りをおこなったわけではなかった。しかし、年に一回は雛を出して飾ってやるものだといっているところは多い。

 古くなった雛は川に流したりドンドヤキで焼いたり、村の神社にもっていって納めたりして処分するが、一番良い雛は娘を嫁にやるときにもたせてやるという家もある。またこの日は節供礼といって、嫁が里や親分の家へあいさつに行った。農作業を休んだり、一日中遊んだり、風呂に入ったりして過ごした。


写真1-80 雛祭り(吉田 昭和40年)