八月七日の日をネンブリ流しともよび、朝早くに男の子は千曲川などへいって水浴びをした。ネンブリを流すとか、眠気を川に流すのだといわれている。また女は川で髪を洗ったり、洗濯をしたりした。この日に洗い物をすると汚れがよく落ちるというし、顔にあるイボもとれるという。
七夕の日には、畑に入ってはいけない日であるとかいい、つる物を作ってある畑に入るなとか、なす畑に入るとなすが病気になるといって嫌った。また、農作物を盗んでもよい日だともされ、桜枝町では大正時代まで七夕の竹を川へ流しに行った帰りに、たくさんとれるほどよいといっては通り道の畑からきゅうりやすいかなどを盗んできた。そのため畑の持ち主は、作物が盗まれないようにと一生懸命に見張っていたものだという。