十日夜

228 ~ 228

トオカンヤ(十日夜)は旧暦十月十日または新暦の十月十日におこなわれた。案山子(かかし)上げとか大根の年取りともよび、餅をついたり赤飯をふかしたりして家中で祝った。なかにはおやきなどの丸いものを作って月に供えたり、オコワを炊いて隣り近所に配ったりもした。お堂で感謝祭をして、ダンゴマキをしたところもある。

 かつてはおはぎを供えて案山子上げをしたり、田んぼのわら上げをして農作業の終わりともした。長谷や東横田では昭和初期まで、こどもたちが「トーカンヤノ ワ (マ)ラデッポ ユウメシクッタラ タタキダセ」などと大声で叫びながら、四尺ほどの長さのわらを束にしたワラデッポウで地面をたたいて村中を回った。またこの日が過ぎると大根の取り入れをしてもよいといわれ、初物の大根を煮て食べたり庚申講の人が寄ったときにふろふき大根にして食べたりもした。