えびす講

230 ~ 230

十一月二十日はえびす講で、オエベッサンとよばれている岩石町の西宮神社の例大祭の日である。前夜の宵(よい)えびすから参詣(さんけい)人も多く出て、終日のにぎわいをみせる。

 オエベッサンは商売繁盛の神様として広く信仰され、えびす講は商家の祭りといわれてきた。この日を中心にして市内ではえびす講の大売り出しがおこなわれ、店々では正月の初売りと同じくらいの客が来るので、朝早くから夜遅くまで店を開けて商売することが多かった。収穫が終わった近在の農家は、冬支度の買い物がてらえびす講の花火を見に出かけてきたのである。この花火は最初は柳町の高土手で打ち上げられていたが、市街地化が進むにつれて移動し、現在は長野赤十字病院南側の犀川河原で打ち上げられている。

 えびす講に合わせて代参するところもみられた。農家ではお神酒や尾頭付きの魚を、えびす・大黒・田の神に供えて収穫祝いをすることもあった。またこの日には雪が降ることが多く、えびす講を境に長野も本格的な冬の到来となる。