祭りは神に祈り、感謝の念をささげる機会であるから、何を供えるかはその祭りをどのような祭りと考えているかによって決まることも多い。しかし、ふつうは「海の幸、山の幸を供える」といわれるように神酒のほかには、米・魚・果物・野菜・塩など特定の供え物を指定しない場合が多い。収穫を祝う祭りには、新穀の米や野菜、果物を供える場合が多い。特定の物を供えるところもあって、南長池(古牧)では春祭りに芹酒(せりざけ)を供える。魚は鮭(さけ)・鰤(ぶり)・鯛(たい)・鱒(ます)・さんま・いかなどさまざまだが、海のものだけでなく太田では淡水魚の鯉(こい)も供えられる。桐原(吉田)の駒祭りには、藁駒(わらこま)を奉納するが、それには白米の粉で作った団子をひねり、ツトッコに入れて背負わせる。