呼び方と形態

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村はずれや辻(つじ)、氏神様の境内などには、道祖神・地蔵様・馬頭観音・庚申(こうしん)塔・蚕玉(こだま)様・不動尊・二十三夜塔・秋葉社・御嶽さんなど、さまざまな石造の神や仏がまつられている。このような石仏・石神は、その土地に住む人たちによって信仰され、造られたものである。

 なかでも道祖神には、二人の神様が石に彫ってある双体像や文字だけのもの、双体像が入った石祠(せきし)などいろいろな型がみられる。道祖神は、交通安全、縁結び、こどもを守る、病気を防ぐ、農作物の豊作をもたらすなどの願いを聞いてくれる神様であるという。道祖神をドウロクジンとよぶところは長野市全域におよぶが、なかにはドウソジンとよぶところもみられる。また、サイノカミとよぶ例もわずかであるがみられる。まつられている場所は、村の出入り口、村境などが多く、辻や村の中央にまつるというところも多い。このほか、神社や寺の境内にもまつられている。道祖神はこうした場所のうち一ヵ所だけにまつられているものではなく、村内の各組ごとにもまつられたりする。瀬原田(篠ノ井)では、村境とともに村の中央にもまつられている。まつられているものは、「道祖神」と彫られた石の文字碑が多いが、北屋島では、「猿田彦大神」と彫った石碑をまつる。また、何も手を加えない自然石をまつっているところも多く、岩崎(若穂綿内)では繭型の石をまつる。さらに、全県的にみられる男女双体の像では、並んで立っているもののほか、握手するもの、肩を抱くものなどもわずかであるがみられる。


写真1-86 双体道祖神碑
(信更町下平 平成8年)