幼児をあやして遊ばせるときの動作に、手遊びや全身遊びがある。両手を胸の前で交差させてぐるぐる回しながらワクワク、オテテワクワクという唱えことばを使った手遊びが多くみられる。太田では、両手を胸の前で回しながら「オテテワクワク」といって遊ばせた。赤沼・西平などでは、両手を胸の前で交差してぐるぐる回しながら「ワクワク」、頭を軽くたたきながら「アタマテンテン」という動作を組み合わせて遊ばせた。十二(じゅうに)では、両手を胸の前で交差してぐるぐる回し「ワクワク」、人差し指で反対の手のひらをつつきながら「ネネッ ネネッ」、両手で頭を軽くたたきながら「アタマテンテン」という動作を組み合わせる。吉では、幼児の両腕をとりながら「チョ チョ チョ」、人差し指で反対の手のひらをつつきながら「トトノメ トトノメ」、頭を軽くたたきながら「オツムテンテン」、手のひらを口にあてながら「アワワワ」というものがあった。
全身遊びとして、子どもの両わきを両手で高くさし上げて「タカイタカイ」という。これは各地にみられる。花立では、「じいちゃん ばあちゃん どう歩く」といって、祖父母のまねをして腰を曲げ両手をうしろに組んでそろそろ歩かせた。岡・三水(信更町)などでは、こどもを大人の肩にのせ、首にこどもの両足をまいて前に垂れさせ、両手は大人の頭につかまらせる。これをカタグルマとよぶ。岩野・大町(長沼)などでは、大人が馬になって背中にこどもをまたがらせ、両手をついてはって歩いた。「オウマヒンヒン ヒンドードー」という。