女子の遊び

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お手玉、あやとり、おはじき、ままごと、手まり、石けり、片足跳びなどがある。

お手玉を、オヒトツ、オキョクとよんだところもある。小さな布袋のなかに小豆を入れて玉を作った。今井では、小豆を入れたお手玉は固いのでもみを入れて作った。遊び方は、片手でしたり、歌に合わせてやったりした。古森沢では、みんなで玉を出し合い、「おひとつおろしてサーラリ」に始まり、さまざまな歌の文句に合わせて一〇回ぐらいやり方を変えて、アヤダマを手軽くさばいた。あやとりは、今井では一人でやるヒトリアヤトリと二人で形の取りっくらをするフタリアヤトリがあった。吉では、糸を何本もより合わせたもので肩幅ぐらいの輪を作り、両手の指にかけて遊んだ。


写真1-94 フタリアヤトリ
(若槻 昭和61年) 長野県立歴史館提供

 おはじきは方々でおこなわれていた。西平や上石川では、キシャゴとかキシャガイとよび、北屋島では、キシャガエシなどといっていた。遊び用具は、着色したガラス製の平たいものが市販されていたが、キシャゴとよぶ小さい貝殻を使ったところや、今井のように石ころや柿の種を使ったところもある。遊び方は、キシャゴを地面に散らかしておいて指ではじき、当てたものを取った。東横田でのように、地面にくるみを並べておいて指ではじき、当てたものを取るというやり方もあった。

 ままごとは、いつどこででもできた。入組、中川などではヨメドコ、ヨメドッコなどといっていた。遊び方は、花立では木の葉などでいろいろな形を作り、不用になった茶碗(わん)や皿に盛りつけてむしろを敷いた上で遊んだ。父・母・こどもと家族の役割を決めて遊んだ。中沢では裸人形を買ってきて、布きれで着物や帯をいくとおりもこしらえて着せ替えした。

 このほかに、戸外の遊びに石けり、片足跳びがあった。古森沢、戸部では、片足で石をけりながら先へ進み、領地を広げていくものをシンガラアソビといった。岩崎では、路上にかいた円のなかに、片足で石を蹴りながら順々に入れていく遊びをし、これをケンパといった。須釜、四ッ屋、柴などでは、片足跳びで相手に体をぶつけ合い、押し合ったり引っ張ったりして勝負を争ったりした。