雪遊び

258 ~ 258

雪の少ない長野市域でもこどもたちの雪上遊びは盛んにおこなわれていた。堀之内や須釜ではスベリットとよんで坂を滑り降りた。また二本の木に板を渡して作ったそりや箱をのせた箱そりなどで遊んだ。スキー滑りは、各地でおこなわれている。須釜・瀬原田では、約一尺五寸(約四五センチメートル)の長さに切った竹を二つ割りにして、先を焼いて曲げた竹スキーを作り、穴に通した麻ひもか針金で足を縛って滑った。桐原などではスケートのことをゲロといい、下駄の歯を抜いて竹をつけて滑り、田子・吉・入組などでは鎹(かすがい)を打ちつけて滑った。滑る場所は、水田や路上が主であったが、田子・吉・箱清水などでは池でも滑った。


写真1-95 田子池での下駄スケート(若槻昭和27年)
池田直正提供

 雪遊びでは、カマクラ作りが各地でおこなわれている。南長池などではカマクラを作って遊び、なかにろうそくを立てて火をともし、餅や菓子などをもちこんで食べた。ユキゴヤともいった。また、太田ではカンジキワタリといって、凍(し)みた雪の表面を下駄ばきで歩いて、その速さを競った。各地で雪だるま作りや雪合戦などが盛んにおこなわれた。