産婦のヒアケ

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産婦がふだんの生活に戻ることをヒアケまたはトコアゲなどといい、早ければ産後三日目であったが、七日目・一五日目・一九日目・二〇日目、あるいは三三日目前後などとするところもあった。田子では産婦をサンシといい、出産直後に字を読むと年を取ってから目が悪くなるなどといわれ、二〇日目のヒアケまでは動いてはいけないともされた。そして、ヒアケになると、親分や仲人、トリアゲバアサンなどが生まれたこどもや産婦をよんで祝ってくれるヒアケヨビをするところが多かった。

 なお、月小屋といって女性が月経のときに家族とは別に生活するところが、桐原(吉田)・南長池・岩崎などにはあったと伝えられている。