人が今にも亡くなりそうなときに、死なないように枕(まくら)元でその人の名前をよんだりすることがある。実際に病人の枕元でその人の名前をよんだら生き返ったという話もある。
このような行為は、生き返ってほしいという願いによっておこなわれるものであるが、三水では老人にたいしてはそれをせずに、若者やこどもの臨終にさいしておこなうという。また、桜枝町のように臨終のときに枕元で名前をよぶと迷うからよんではいけないといっているところもある。
また臨終にさいしては、その安らかな死を願って念仏を唱えることもある。戸部では家族や近所の人びとが集まって一升ますに生の大豆を入れながら念仏を唱えるが、これをマメネンブツ(豆念仏)といった。