野辺送りの帰りには行きとは別の道を通るものだといい、喪家に帰ると人びとは体を清めてから家に入る。塩を入り口でまいたり、外または戸間口、台所で塩を使って手を洗ったりするなど、清めには塩を使用することが多い。
手を洗うときにはひしゃくを外側に向けて水をかけるところもみられる。瀬原田では塩で清めて水は左ひしやくにかけて洗うというし、四ッ屋では外ひしゃくで水をかけて洗うという。また桜枝町では手を塩で清め、足は塩水を入れたたらいで、手を使わずに足と足とをすり合わせて洗うという。
須釜では空臼(からうす)をついて塩で清めるといい、戸部では戸間口に置いた臼を杵(きね)でつくまねをして塩で洗って家に入る家もあるという。