家屋敷

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屋敷は単にヤシキとよぶ場合が多く、日常生活に必要な建物や施設を含む敷地、地面のことをさしている。ここには、寝起きに始まりふだんの生活の中心となる母屋(おもや)、土蔵や物置などの付属建物、農作業場も兼ねた庭、季節野菜を作る野菜畑などがある。なかには屋敷つづきの田畑までを含める場合もあるが、一般には簡単な植え込みや石垣などで仕切って境にしていることが多い。これら屋敷内の建物と敷地を総称して、家屋敷ということもある。大事な日常生活の場としての家屋敷は、その場を屋敷地として選ぶにあたり、生命に危険のないより安全な場所が選ばれ、幾世代となく伝えられ現在にいたっている。

 平坦地域や西山の山間地域に住む人びとは、それぞれの立地条件にあった家屋敷を確保してきたのである。毎日が安全で快適な生活を保証するための基礎となる家屋敷は、飲料水が確保できて日当たりがよく、風当たりの弱い場所が最適地として選ばれてきた。

 逆に千曲川沿いは水害にあいやすく、西山の山間地ではうしろに山やがけがあって山崩れがおきやすい危険な場所が多いため、近年までは家屋敷を構えることを避けてきたところも多い。