長野市域における埋葬の傾向性をみると、近年の火葬への全面的な移行の引き金として、長野市への合併が注目される。各地区に設けられた火葬場とは別に、市が火葬場を指定したこととかかわっているようである。告げ人、墓穴掘り、棺の入手と運搬、火葬中の遺体の管理、埋葬などの男性が中心におこなう仕事を分担する葬儀の互助組織としては、隣組、庚申講仲間、本・分家、親戚、両隣とさまざまであるが、庚申講仲間が中心的役割をになっているところが多い。
いっぽう、お斎については近年、仕出し屋などに外注したり料理屋でおこなうようになってきている。親類や子分の女衆が準備にかかわることが多いようである。