トリマワシ

407 ~ 408

なにを作るかは紙に書きあげ、当日、台所の壁にはっておく。この記録は残されていないが、だいたい一〇品ほどそろえることが多く、最低五品以上は出す。主なものはつぎのようなものである。

・きんぴら

・きらず(おから)  卯(う)の花にちくわやねぎを入れる。

・煮魚(煮物)    具の数は奇数で、凍(し)み豆腐やこんにゃくや季節の野菜(冬ならば大根、里芋、にんじんなど、夏ならばかぼちゃなど)を加える。

・テンプラ      夏ならばピーマン、なす、かぼちゃ、しその葉やたまねぎ、にんじんのかきあげなど、冬ならば同様のかきあげのほかにさつまいも、かぼちゃなど。

・ひじき       油揚げ入り

・はるさめの酢の物

・白あえ       ほうれん草など

・おひたし      春にはわらびなども使う。わらびは上に灰をかぶせ湯をかけて重しをし、一晩あく抜きをしてからでないと使えない。あく抜きしたわらびはちくわとともに煮物に使うこともある。

・辛子(からし)なす

・ふきの煮物や油炒(いた)め 塩漬けしておいたふきを塩出しして使う。

・あえもの      この村ではウブスナサマ(産土(うぶすな)神)がごまのさやで目をついたということで、ごまは栽培しないので、えごまやくるみでささげなどの青物をあえる。あるいは大根とにんじんを短冊に切ってからゆで、味噌、砂糖、塩であえる。