仕事の範囲

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職人の仕事の範囲は、技術をもって歩く出職(でしょく)も店舗を中心として活動する居職(いじょく)も、基本的には居住地を中心とした周辺の地域である。長野市の場合は、以前は冬場には大量の雪が降ったため、出職の場合は冬のあいだは仕事にならなかったため、東京に出稼ぎに行くこともあった。

 職人の数が減ってきたうえに、交通の便のよくなった現在では、必要に応じて以前よりも遠くの地域まで出かけるようになった。

 松代の畳屋の場合、近隣の屋代(更埴市)に一軒、上山田町(更級郡)に二軒の同業者がいるが、全体として畳屋が少ないので、頼まれればそうした地域の仕事もおこなっているという。