職人の仕事着は、以前は職種にかかわらず、半纏(はんてん)・股引(ももひき)・腹掛け・足袋(たび)・草履(ぞうり)などであった。半纏は法被(はっぴ)ともいい、印(しるし)の付いた印半纏といわれるものもあった。半纏に染め抜いた印は、屋号などであった。今では、半纏や股引のかわりにシャツや作業着などの洋服を上着として着用し、ズボンを履いている。
畳職人の場合は、以前は依頼主の家にあがって仕事をすることが多かったため、仕事に出かける場合には新しい足袋を履いた。
鳶職の最近の仕事着は、ズボンにシャツ、地下足袋、安全帯、ヘルメットをかぶるというものである。ズボンのことを「七分」といって、これは股(また)から膝(ひざ)くらいまで幅が広く、膝から下は細く、動きやすいようにできており、ふつうの丈の長さより三分短いものである。
職人たちのなかには、こうした作業着をふだんでも着ている場合がある。鳶職の組合では、揃いの半纏を作っており、鳶職の集まりには半纏を着て出かけるという。