侍町の鎮守

520 ~ 521

真田家の家臣団が住んでいた町内を「侍町」とよぶことはかならずしも一般的ではないが、この言い方は町人町との対比で現在も使われることがある。その町内としては、家老など重臣層が住んだ殿町をはじめとして、清須町、片羽町、田町、下田町同心町、馬屋町、十人町、袋町、松山町、裏柴町、表柴町、馬場町、代官町、新代官町、同心町、竹山町、竹山同心町(有楽町)などがある。

 こうした町内の鎮守としてまつられているのが白鳥神社である。この神社は城主の真田家の守護神で、大正時代の中ごろに氏子に払い下げになり、それ以来、町内で氏子が管理するようになったという。そもそもが真田家の守護神であったため、その氏子は家臣の住む侍町であり、現在もこれが受け継がれているのである。したがって、殿町、清須町、代官町、竹山町、同心町、有楽町、馬場町、下田町、裏柴町、田町、松山町、四ツ谷、表柴町などでは、それぞれ総代や祭典係を選出するとともに、三ヵ町が当番氏子といって世話係をつとめている。