祇園祭の変遷

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祇園祭の期日は六月から九月へ、さらにその後いく度か変更され、現在は七月十三日から二十一日までとなり、十三日には「天王下ろし」といって、神輿が池田の宮から松代に下りて中町の仮宮に安置され、二十一日には「天王上げ」で神輿が池田の宮に帰座している。

 つまり、祇園祭は「天王下ろし」「天王上げ」といって町の外である池田の宮から神を迎えておこなわれるのが特色となっている。しかも、天王社の渡御(とぎょ)は、松代の町が形成される以前は、尼巌(あまかざり)城の城下町であったと考えられる﨤町におこなわれていた。前節で述べたように松代城の造営によって城下の伊勢町・中町・荒神町が経済的な中心地となり、これとともに市神も城下に移り、ここに渡御がおこなわれるようになったのである。