長く生活をともにしてきた地域の人びとにとっては、それぞれの家の暮らし方や行動の仕方は、その家の家風としてよく知られていた。人寄せの好きな家、おっとりしている家、しまりやの家、だらしのない家、堅苦しい家など、さまざまな家があったが、それは一代でできあがったものではなく、いつともなく作り上げられていったものであった。そうした家のこどもも、いつとなくその暮らしぶりを身につけていくことが多かった。したがってこどもの姿は、親の評価や家の評価につながるものでもあった。
ドンドンヤキをはじめとするこどもたちが参加する地域の行事において、どのこどもがどのような役割を分担するかは、こうした日常的なこどもの生活の評価の上に成りたっていた。評価するのはもちろん大人だけではなく、こどももおこなうのであるが、各人が日常的に目にし、行動するなかから評価することは同じであった。