町の会合で新旧役員の交替のときや祭りのあとの宴席でも、北信流の杯事がおこなわれる。区長や役員あるいは神職や氏子総代にお礼のお杯を差し上げる。また、新旧役員の交替のときなどはまず前役員にねぎらいの意味で杯を差し上げる。お返しに前役員から新役員にお杯を差し上げる。こういうときには本など見ないで、短いものを一曲うたう。うたうのは先生格の人で、最初の杯とあとの杯のときとでは、出す謡の曲目が違う。「○○さん ひとつお肴(さかな)お願いします」といって杯を差し上げると、口を開いた人(世話人など)が、その場でうたえそうな人を指名して謡を出してもらう。