道祖神の祭りを男の子の行事とするところは多く、こどもにとって冬の時期のもっとも楽しみな行事の一つであった。平(芋井)などでは、十四日の夜に当番の家にこどもたちが集まってトランプなどをして遊び、夜中になると親分を先頭に家々を勧進(かんじん)して巡る。この日は、一五歳までの男の子がみな集まるので、勧進の行列はとてもにぎやかになる。また、お金やお米などの御祝儀をもらうため、こどもたちは家々の玄関に着くと、勧進の歌を大声でうたいながらほら貝を吹いたりして騒ぎあう。そして、集まった御祝儀はこどもたちで分ける。親分を中心として、こどもたちが自主的におこなう祭りである。