道祖神講

656 ~ 657

道祖神の祭りは小正月におこなわれるだけではない。栗田上組(芹田)では小正月のほかに、道祖神講の祭りとして五月十五日にも道祖神の春祭りをおこなう。道祖神講は二七人で構成され、道祖神碑をまつっている家を道祖神講の永代講長としている。現在では十五日にもっとも近い日曜日の早朝、講長の家で一対の幟(のぼり)と竿(さお)を用意し、道祖神碑の横に立ててお参りする。午後には、幟などを片付け、当番の家で直会(なおらい)がおこなわれる。

 当番の家では「道祖神」と書かれた掛け軸を用意し、集まった人から順に掛け軸にお参りをする。また、座の途中でまだ当番になっていない人のなかから、来年の当番であるアトトリをくじで決めている。新婚夫婦のいる家がなると、その家はかならず子宝に恵まれるといわれた。そして、北信流による宴席の進行につれて、娘や息子の良縁や子宝を願うことをうたった謡(うたい)、道祖神にちなんだお色気の謡などを各人が出し合うのが座のきまりとなっている。なお、上組ではこの道祖神講が地区の集まりの場にもなっている。


写真2-110 春祭りで幟を立てる(芹田 平成6年)