道祖神の祭りとして人形をまつるところでは、ドンドヤキで人形などを焼くところと、火祭りとは別に人形などをまつったあと、その人形を道祖神碑に供えるところに大別することができる。
塩崎(篠ノ井)でおこなわれる祭りでは、藁(わら)などで男根女陰を誇張した大型の人形を作り、その人形を小正月の火祭りで燃やすことで集落の悪厄を払い、同時に、縁結びや子宝を祈願する。また、柴(松代町)ではオンベを村境でおこなわれる火祭りで燃やすことで厄払いをする。
いっぽう、小正月の火祭りと並行して木の人形を作り道祖神碑に供えるところは、裾花(すそばな)川流域の芋井や小田切や千曲川流域の若穂などにみられる。芋井や小田切など、松の枝木に顔を描き着物を着せた男女の一対の人形を作る地域では、こどもが勧進して巡る行事と重なっており、大半の地域では祭りが終わると村はずれや村境にある石碑に人形を供えている。あわせて、男根に見立てたツクリモノをこどもが背負ったり、御祝儀として嫁に渡したりすることもあるが、なかにはドンドヤキの火であぶることによって子宝祈願をするところもある。