持者(じしゃ)(若穂保科)は市内でも東南にあたる山間の集落であるが、ドウロクジンとよんでおり、一月十四日に男根の大きさに見立てて作るものとされている。一八センチメートルほどにぬるでを切って皮をすべてはぐ。つぎに和紙で着物を作って着せ、それぞれに男女の顔や髪、家紋を書き入れる。そして米を入れた一升ますに人形を入れて南に向かって据える。それから、家族と同様に魚を中心とした夕食を供え、翌十五日には朝食を供える。昼前になると道祖神の石碑にドウロクジンを供え、娘などの良縁を祈ったという。十五日の夕方には、ドンドヤキがおこなわれるが、とくに人形を燃やすということはなく、当番の家でけんちん汁などを食べてお日待(ひまち)をした。